DIGITAL AGENCY / FROM POLICY TO DELIVERY

デジタル政策を、
実装の手前まで読み解く。

重点計画から、クラウド・政府AI・データ・調達まで。
何を目指し、誰が担い、どの文書で具体化するのかを整理します。

16 関連文書・資料6 つのテーマ公式情報確認 2026.10.19
この特集の範囲

デジタル庁が公表・推進する方針、標準、計画の構成資料を扱います。AI基本計画など他府省の関連方針は、所管・役割が分かるよう分けてつなぎます。サービスの一般解説は、正式文書の件数と区別しています。

THREE VISUAL EXPLAINERS

3つの図で、役割と流れをつかむ。

サービスの構造、AIの進め方、移行後の分担。
文書を読む前に、見る対象をそろえます。

SERVICE / WORKSPACE / PLATFORM

利用者から基盤まで、役割は違う。

ガバメントクラウドはシステムの基盤、GSSは職員が働く環境を支えます。

行政サービスを読むための概念図
  1. 利用する人

    住民・事業者

    申請する
    情報を確かめる

  2. サービスの接点

    窓口・ポータル

    マイナポータル等
    利用者が手続に触れる場所

    使いやすさの設計
  3. 業務の処理

    業務アプリ

    申請・審査などの処理
    自治体では対象事務の標準化

    自治体システム標準化
  4. システムの基盤

    ガバメント
    クラウド

    アプリを動かす利用環境
    構築・運用の共通化

    クラウド利用方針
職員の作業を支える環境
職員側 / GSS

業務用PC・ネットワーク・共同作業

府省の職員が業務を進める標準的な環境。個別業務アプリのクラウド移行とは見る対象が異なります。

複数の層で考える
共通要素

基礎データ・データ連携

必要な情報を整え、業務やサービスにつなぐ。

基礎情報の整備計画

本人確認・権限・安全性

誰が利用し、どこまで扱えるかを設計する。

本人確認のガイドライン
  • 実線矢印:接点・処理・基盤をたどる読み方
  • 別枝・共通帯:職員環境や横断的な要素

この図は役割の概念整理です。矢印は実際の通信経路や必須の接続構成を示しません。掲載したサービス同士の接続や製品構成の実装を保証する図ではありません。

PLAN / ASSESS / PROCURE / IMPROVE

AIは、企画から利用後までを一続きに。

製品を選ぶ前に用途と体制を整理し、利用後もリスクと使いやすさを評価します。

政府の生成AI利用を読む4つの工程
  1. 01 PLAN

    業務を決める

    何のために使うか。
    利用者・扱うデータ・期待する成果を整理。

    ユーザビリティ
  2. 02 ASSESS

    リスクと体制

    用途に応じてリスクを判定。
    CAIO等の体制で把握し、必要な報告・助言へ。

    DS-920 / AI利用ルール
  3. 03 PROCURE

    仕様・契約へ

    要件と候補を比較。
    品質・データ・安全性・運用の条件を調達へ反映。

    DS-100 / 調達の手順
  4. 04 OPERATE

    利用し、評価する

    人の確認や記録を組み込み、
    出力・利用状況・使いやすさを継続して確かめる。

    DS-920 / 利用と管理

評価を、次の企画へ。用途や利用範囲が変わったら、リスクと要件を見直す。

  • 実線矢印:実務を整理する流れ
  • 戻り線:利用・評価を受けた見直し

これは文書を組み合わせた編集上の流れです。全案件で同じ審査や順序を求めるものではありません。適用主体、高リスクの判定、報告等の条件はDS-920本文で確認します。

STANDARDS / MIGRATION / OPERATIONS

標準化・移行・運用で、見る分担を変える。

国が共通の環境を用意しても、自治体や事業者が担う計画・設定・運用は残ります。

国:共通の方針・環境・支援自治体:自団体の業務と利用事業者:提供・構築・運用支援
案件で確認する主な作業の見取り図
見る対象国・関係府省自治体事業者
01 / 要件標準に合わせる基本方針や共通事項、制度別の標準仕様等を整える。対象となる業務とシステムを把握し、適合や業務への影響を確認。標準仕様等に沿ったアプリケーションの構築・提供を検討。
02 / 基盤利用を準備する対象クラウドを調達し、利用権や共通的な設定・案内を用意。利用方式、必要な契約、委託する範囲を確認。クラウド基盤の提供、構成の設計や環境設定など、役割に応じた対応。
03 / 移行業務を移す移行に必要な手順・技術情報の提供や支援を行う。移行計画、データ、業務への影響、稼働確認を関係者と整理。契約で定めた構築・移行・検証を支援し、関係事業者と調整。
04 / 継続運用を改善する共通の運用情報や費用最適化に関する対策・支援を提供。利用量・費用・委託範囲を把握し、業務の継続と改善を確認。受託範囲の監視・保守・障害対応と、見積の説明や改善提案。

この表は確認すべき作業を整理したものです。包括的な法的責任や一律の分担を定める表ではありません。単独・共同利用の方式、クラウド事業者・アプリ提供者・運用管理補助者等の役割、案件の条件と契約で具体的な分担が決まります。

移行完了は、運用改善のスタート。

クラウド利用料だけでなく、回線、ソフトウェア、運用委託を合わせて確認し、費用とサービス水準を継続的に見直します。

DOCUMENT ANATOMY

本文だけでは、見えない関係がある。

概要、本文、計画の構成部分、別紙、様式、参考資料。10組・117の資料項目を、役割と根拠からたどれます。

同じ文書の章や別紙も資料項目に含みます。53件の掲載文書や、独立した決定の件数とは異なります。

本文・別添の関係図を開く ↗
政策・標準のまとまり
  • 概要まず全体をつかむ
  • 本文・計画各部方針と施策を読む
  • 別添・様式要件や実務を確かめる
  • 参考資料説明・背景を補う

役割を示す概念図。実際の構成は文書ごとに異なります。

01 / POLICY & RESPONSIBILITY

方針と実装は、読む役割が違う。

まず「何を変えるか」をつかみ、次に「どう設計・調達・運用するか」へ。以下は理解のための編集上の整理です。

全体の方向

デジタル重点計画 ↗

行政・産業・暮らしのデジタル施策を横断。施策一覧から担当や工程へ進む。

現場と制度の改革

デジタル行財政改革 ↗

人口減少下で公共サービスを維持・強化するため、業務や提供方法も見直す。

実施のルール

政府システムの標準ガイドライン ↗

プロジェクトの体制、設計・開発、調達、運用を確認。クラウドやAIの個別文書も読む。

分野ごとの具体化

クラウドの適切な利用方針 ↗ / 政府の生成AI調達・利用ルール ↗

採用する技術の条件、責任分担、リスク管理をプロジェクトに落とす。

02 / GOVERNMENT CLOUD & GSS

同じ「政府の基盤」でも、役割は違う。

ガバメントクラウド、GSS、自治体システム標準化、GCASは、行政のデジタル基盤を支える異なる役割です。利用方針、基盤の提供、業務システムの移行、職員の働く環境を分けると、関係する文書と実務の流れが見えてきます。

  1. 01デジタル重点計画

    国や自治体の行政サービスから医療・教育・防災、企業活動まで、デジタル社会の実現に向けて政府が重点的に進める施策を束ねた横断的な計画です。

  2. 02クラウドの適切な利用方針

    クラウドを第一候補としながら、移すだけで終わらせず、アプリケーションの刷新、自動化、責任分界、コストの計測まで含めて利点を引き出すための政府共通ルールです。

  3. 03政府システムの標準ガイドライン

    行政サービスと業務の改革、それに伴う政府情報システムの整備・管理について、組織の役割と手順を定める共通ルールです。企画、予算、調達、開発、運用、改善を通して扱います。

  4. 04自治体ガバクラの利用・責任分界

    自治体が標準準拠システムをガバメントクラウドで運用する際の、国、自治体、クラウド事業者、運用管理補助者などの関係を整理した文書です。契約、責任分界、利用料の仕組みを扱います。

読む順番は編集上の提案です。個別文書の関係と確認範囲は各解説に表示しています。

ガバメントクラウドは、システムを動かす共通の利用環境

ガバメントクラウドは、政府が共通に提供するクラウドサービスの利用環境です。単にデータセンターの置き場を変える取組ではなく、テンプレート、マネージドサービス、自動化を使い、構築と運用の品質や効率を高めることを目指します。

  • 基盤を使うことと、アプリケーションを設計・調達することは別の作業
  • 共通的な管理と、個々の業務に応じた設定・運用を組み合わせる
  • 費用の透明化を進め、実際の構成と利用状況に基づいて評価する

GSSは、職員が働くための標準的な環境

ガバメントソリューションサービス(GSS)は、職員が使う業務用PC、ネットワーク、オフィスソフトウェア、コミュニケーション、安全対策などの共通環境です。ガバメントクラウドが業務システムの実行基盤を扱うのに対し、GSSは職員が日々業務を行う環境を支えます。

  • 各府省の業務環境を順次統合し、生産性と安全性の向上を目指す
  • ゼロトラスト等の技術を用い、場所にとらわれない働き方を支える
  • GSSの導入と、個別業務システムのクラウド移行を同じ工程として扱わない

クラウドの選定と、自治体の移行完了を分ける

2026年3月27日の公式公表では、対象サービスとしてAWS、Google Cloud、Microsoft Azure、Oracle Cloud Infrastructure、さくらのクラウドが選定されています。これは利用可能な基盤の選定であり、各自治体のシステムの適合確認、契約、移行、稼働確認が完了したことを意味しません。

  • サービスの選定・技術要件の確認と、個別案件の調達・移行を区別する
  • さくらのクラウドは、同日の発表で全技術要件の充足と本番環境提供が可能になった旨が公表された
  • 対象サービスや利用条件は、最新の公式選定結果を確認する

自治体の標準化は、業務の要件と移行の両方を扱う

自治体システムの標準化は、対象20事務のシステムを標準化基準に適合させる取組です。クラウド基盤の選択だけでは終わらず、業務、データ連携、共通機能、運用を整える必要があります。原則の移行期限とは別に、特定移行支援システムには状況に応じた支援と期限設定があります。

  • 標準化基準への適合と、ガバメントクラウドの利用を区別して確認する
  • ガバメントクラウドの利用は標準化法上、利用に努める位置づけと説明されている
  • 個々の移行時期は、対象システムの状況と最新の公式支援案内で確認する

責任分界を、契約と実際の作業へ落とし込む

クラウド事業者、デジタル庁、自治体、運用管理補助者、アプリケーション提供者、回線側では、担う範囲が異なります。共通基盤が提供されても、利用者側の設定、データ、権限、業務アプリケーションの対策が不要になるわけではありません。

  • 単独利用・共同利用の方式と、契約の当事者を確認する
  • 障害時の連絡、運用、データ管理、SLA、請求の担当を整理する
  • クラウド側の安全性の評価と、利用側の設定・運用の安全性を分けて点検する

費用は、移行時と移行後の全体で評価する

2025年6月の総合対策は、費用増の原因をクラウド利用料だけに求めず、回線、運用委託、二重基盤、パッケージの最適化、機能強化などに分けています。比較する範囲とサービス水準をそろえ、移行後も実利用量とコストを継続的に改善することが大切です。

  • 見積の内訳と工数を確認し、費用が増える理由を説明できる状態にする
  • システム構成と運用の省力化・自動化を検討する
  • 財政措置の検討と、実施が決まった支援・契約上の負担を混同しない

GCASは、利用開始と情報提供を支える窓口

GCAS(Government Cloud Assistant Service)は、ガバメントクラウドの情報提供、問い合わせ対応、利用申請、利用案内等を行うオンボーディング用Webサービスです。自治体の移行手順書では、アカウント取得後のプロジェクト登録やクラウド環境の利用申請を案内しています。

  • GCASのアカウントと、個別CSPの利用環境・権限を区別する
  • 管理者と委託事業者の役割を整理し、必要な契約と申請を進める
  • 一部の手順や技術資料は利用者専用ページであり、この解説では非公開内容を推測していない

文書は、全体方針から実装と運用へ読む

政府の情報システム全般の手順はDS-100、クラウドの利用原則はDS-310で押さえます。自治体案件では、標準化基本方針と利用・責任分界の文書、移行手順書、運用経費対策へ進みます。読む順番は学習上の整理であり、文書の法的な上下関係を一律に表すものではありません。

  • 政府の共通手順と、クラウド固有の技術・運用方針を併せて読む
  • 決定日・改定日と、Webサイトへの掲載更新日を区別する
  • 検討中の方策、参考資料、順守するルールを確認する

03 / LOCAL GOVERNMENT & SHARED PLATFORMS

自治体の「標準化」と「共通化」を整理する。

業務システムを標準に合わせること、クラウド上で稼働させること、国と地方で共通基盤を使うこと。それぞれの対象と責任を分けると、移行後の運用まで見通しやすくなります。

APPLICATION & BUSINESS

自治体の基幹システム標準化

対象業務のシステムを標準仕様等に適合させる方向を確認します。アプリケーション・データ・業務の要件を読む入口です。

自治体システム標準化 ↗

COMMON INFRASTRUCTURE

国・地方のデジタル共通基盤

国と地方の業務・システムの共通化や共同利用について、全体の考え方と取組を確認します。

国・地方デジタル共通基盤 ↗

OPERATIONS & COST

移行後の運用と経費

クラウド移行後にも、利用料、アプリケーション保守、運用管理等を確認します。基盤の変更と継続的な運用の改善を一緒に考えます。

自治体クラウドの運用経費対策 ↗

企画・提案で読むときの4つの問い

  1. 対象は業務アプリケーションか、クラウド基盤か、職員向け業務環境か。
  2. 標準への適合、クラウド利用、共通化のうち、何を実現する案件か。
  3. 移行・運用・障害対応を、利用機関と各事業者の誰が担うか。
  4. 導入時だけでなく、移行後の費用・監視・改善をどう管理するか。

上の問いは、公式資料をプロジェクトに当てはめて読むための編集上の提案です。適用する要件や分担は、案件の公式資料・契約条件で確かめます。

  1. 01自治体システム標準化

    自治体の基幹業務システムを標準に適合させ、安全かつ円滑に移行するための方針です。ガバメントクラウドの利用も含め、国・自治体・事業者が進める取組を示します。

  2. 02自治体ガバクラの利用・責任分界

    自治体が標準準拠システムをガバメントクラウドで運用する際の、国、自治体、クラウド事業者、運用管理補助者などの関係を整理した文書です。契約、責任分界、利用料の仕組みを扱います。

  3. 03自治体クラウドの運用経費対策

    標準化とガバメントクラウド移行後の運用経費が増えるとの懸念に対応する対策です。クラウド利用料だけでなく、ソフトウェア、回線、運用委託を含めて原因と改善策を整理します。

  4. 04国・地方デジタル共通基盤

    人口減少下でも公共サービスを維持するため、国と地方が共通基盤を整備・運用する考え方。共通SaaS、認証・基礎データ等の公共インフラ、クラウド・ネットワークを分けて整理する。

04 / GOVERNMENT AI & PROCUREMENT

AIは、導入より前に体制と使い方を読む。

AIの利用環境、調達ルール、製品選定、サービス品質は相互に関係します。公式資料で確認できる役割と、実務での読み進め方を整理します。「編集解説」と付けた箇所は本サイトの提案です。

  1. 01AI基本計画

    AI法に基づき、AIの利活用、開発力、ガバナンス、社会の変革を一体で進める国家計画です。信頼できるAIを軸に、活用と開発が循環する社会を目指します。

  2. 02政府の生成AI調達・利用ルール

    政府の生成AI利用を進めながら、企画・調達・運用を通じてリスクを管理する共通ルールです。各府省のCAIO、リスク判定、調達・契約時の確認事項を定めます。

  3. 03政府システムの標準ガイドライン

    行政サービスと業務の改革、それに伴う政府情報システムの整備・管理について、組織の役割と手順を定める共通ルールです。企画、予算、調達、開発、運用、改善を通して扱います。

  4. 04DMPによるSaaSの検索・選定

    行政機関と事業者がDMPを使ってSaaSを探し、比較・選定する手順を説明する活用資料です。調達仕様の整理、比較表、見積もり依頼、各機関での契約への進め方を示します。

政府AIの利用環境「源内」

公式情報:デジタル庁は、ガバメントAIの取組として生成AI利用環境「源内」を展開しています。2026年5月には全府省庁の約18万人を対象とする大規模実証を開始し、業務の質と効率の向上を検証しています。

  • 発表時点では5月29日に約10万人が利用可能となり、順次拡大する計画でした。対象人数と実利用者数は異なります。
  • 利用環境の導入と合わせ、個別業務の目的、扱うデータ、品質を確認することが重要です。

CAIOと高リスクの扱い

公式ルール:DS-920では各府省のCAIOがリスクを最終判断します。重大な影響、利用範囲、人の出力確認を踏まえ、高リスクの可能性がある案件をアドバイザリーボードへ報告し、評価・助言につなげます。

  • 用途や運用が変わった場合も再評価します。ボードへの報告を製品の一律認可と扱いません。
  • 適用対象を先に確認します。秘密情報等の一部システムは対象外で、自治体は必要に応じた参考利用です。

DMPが支えるのはSaaSの検索・選定

公式情報:DMPでは製品・導入支援の情報を比較し、調達仕様の整理や見積もり依頼を進められます。比較表は選定根拠に使えますが、入札・契約の正式手続は各機関の規定に従います。

  • SaaSのライセンスと導入支援が対象です。ハードウェアや受託開発等は対象外です。
  • 掲載情報の事前確認はありますが、自機関のセキュリティポリシーへの適合は調達側が判断します。
  • サイト内に入札公告・応札・契約を実行する機能はありません。

調達前に読む順番(編集解説)

編集解説:まず解決したい業務と利用者を決め、共通機能や既存SaaSで実現できるかを調べます。AIを含む場合はリスクを評価し、調達・契約チェックシートを仕様と確認項目へ落とし込みます。

  • 成果と評価方法を先に決め、製品名から要件を組み立てないようにします。
  • 入力・出力・権限・記録・費用・更新・終了時の扱いを、業務とサービスの両側から確認します。
  • 採用後の品質確認、問い合わせ、事故対応を担う役割まで整理します。

利用者が使えることも調達品質

公式指針と編集解説:ユーザビリティの目標やアクセシビリティ要件、検証計画を、企画・調達段階から考えることが求められます。本サイトでは、機能の比較と利用者の検証を合わせて進める読み方を勧めます。

  • DS-670.1で利用者・目的・環境と評価方法を確認します。
  • DS-671.2は調達時の要件、体制、テストを考える参考資料です。
  • ウェブサービスはDS-680.1を参照し、公開後の管理と品質評価も計画します。

05 / DATA, REGISTRIES & IDENTITY

データを整えることと、本人を確かめること。

デジタル行政は、基礎データ、本人を確かめる仕組み、サービスの窓口を組み合わせて動く。それぞれが何を担うかを分けると、データ政策や共通基盤の方針を具体的なサービスに結び付けて理解できる。

  1. 01データ利活用制度の基本方針

    データとAIが価値を生む社会に向け、連携基盤、標準化、行政保有データ、分野別の利用、官民の体制を整理した基本方針。2025年重点計画の第5としても収録されている。

  2. 02ベース・レジストリ整備計画

    住所・所在地、法人、不動産など多くの手続で共通に参照する基礎データを整える計画。2026年重点計画の第3として収録され、分野ごとの課題、役割、整備・改善の時期を示す。

  3. 03行政手続の本人確認指針

    国の行政手続で本人確認を設計するための標準ガイドライン。身元確認、当人認証、外部の認証基盤との連携を分け、手続のリスクと利用者の負担に応じて適切な方法を選ぶ基準を示す。

  4. 04国・地方デジタル共通基盤

    人口減少下でも公共サービスを維持するため、国と地方が共通基盤を整備・運用する考え方。共通SaaS、認証・基礎データ等の公共インフラ、クラウド・ネットワークを分けて整理する。

1.整備→連携→利用という流れで考える

最初に、正しく更新され、機械で読みやすく、項目の意味が明確なデータを整える。次に、誰の・何の情報を結び付けるのか、権限とルール、識別子、接続方法を整える。その上で、申請の簡素化や政策の改善など具体的な利用につなげる。実際の利用から品質や制度の課題を見つけ、整備へ戻る循環も必要となる。これは文書を理解するための整理であり、全ての政策が一方向の工程で進むという意味ではない。

  • 整備:データ項目、意味、品質、形式、更新を明確にする。
  • 連携:対象を正しく対応付け、必要な相手に適切な権限で提供する。
  • 利用:手続や業務の改善に使い、効果とリスクから見直す。

2.マイナンバーは、行政の手続で個人を識別する番号

マイナンバーは、行政手続等で特定の個人を識別するための番号であり、法令に基づく行政機関等の情報連携に用いられる。適切な情報連携によって、利用者が証明書等を繰り返し提出する負担を減らす。番号で人物を識別することと、今操作している人が本人であると確かめることは、分けて考える必要がある。

  • 役割:行政の事務で、情報がどの個人に関するものかを識別する。
  • 利用範囲や情報連携の条件は法令等に基づく。
  • 番号そのものと、カードやログインのための認証機能は同じものではない。

3.マイナンバーカードは、本人確認等に使える道具

マイナンバーカードは本人確認に利用でき、ICチップの電子証明書等を用いてオンライン手続にも使われる。電子証明書による認証・署名と、個人番号を扱う処理は役割を区別する。カードを使う全てのサービスが、個人番号そのものを利用していると理解すると、認証と情報連携を混同してしまう。

  • 役割:本人であることの確認や、電子証明書等によるオンライン手続を支える。
  • カード本体と電子証明書には、それぞれ有効期限がある。
  • カードを使う場面でも、番号利用と電子証明書による確認を分けて読む。

4.マイナポータルは、個人向け行政サービスのオンライン窓口

マイナポータルでは、マイナンバーカードを使い、引越しやパスポートの手続、医療費等の本人情報の確認などを行える。利用者が触れるサービスの入口であり、個人番号やカード自体とは役割が異なる。外部のサービスへ情報や手続を組み込むAPIも提供されているため、画面の利便性と背後の接続条件を合わせて見ると理解しやすい。

  • 役割:手続や本人情報の確認を行う、利用者向けの窓口。
  • マイナンバーカードによる本人確認と、各手続・情報の提供を組み合わせる。
  • APIを利用する際は、対象情報、利用条件、本人の関与を個別の仕様で確かめる。

5.ベース・レジストリは、社会が共通に参照する基礎データ

ベース・レジストリは、住所・所在地や法人の名称等、制度を越えて多くの手続で参照されるデータベースである。共通の参照先を整えることで、再入力や確認書類の取得を減らすことを目指す。本人確認のアカウントでも、申請画面でもなく、サービスが参照する基礎データの側を担う。整備段階や利用条件はデータごとに異なる。

  • 役割:法人、住所、不動産等の基礎情報を、複数の手続で参照できるように整える。
  • 法律上の名称は公的基礎情報データベース。
  • 計画への掲載と、全ての利用者への提供開始は別に確認する。

6.GビズIDは、事業者向けの共通認証

GビズIDは、複数の対応行政サービスへ共通のアカウントでログインするための事業者向け認証システム。代表者の身元確認を共通化し、補助金申請や社会保険等の手続での負担を減らす。法人番号が法人を識別する番号であるのに対し、GビズIDはオンライン手続を利用するための認証を担う。窓口となる申請サービスや、法人情報を参照するデータベースとは区別する。

  • 役割:対応する複数の事業者向け手続にログインするための共通認証。
  • アプリを活用した多要素認証等で、なりすましを防ぐ。
  • 利用できる手続、アカウント種別、権限等はGビズIDと各サービスの案内で確認する。

7.国・地方の共通基盤は、アプリ・認証とデータ・クラウドを組み合わせる

共通SaaSは業務を行うアプリ、デジタル公共インフラは認証や基礎データ等の共通機能、クラウド・ネットワークはそれらを動かし接続する基盤となる。標準化はデータやシステムの仕様を揃える取組であり、共通化は複数の主体が機能やサービスを利用する取組でもある。何を共通にするかに応じて、国、自治体、事業者の責任と費用を整理する。

  • 申請窓口だけを変えても、背後のデータの品質や業務の分担が整わなければ改善は限られる。
  • 基幹業務システムの標準化と、認証・基礎データ等の共通基盤は対象が重なりつつ役割が異なる。
  • 共通利用する機能、各組織に残る業務、運用責任をセットで確認する。

06 / SERVICES PEOPLE CAN USE

基盤ができた、その先の使いやすさへ。

手続のデジタル化では、利用者が目的を達成できるかが大切です。ウェブサイト全体の整備、操作の分かりやすさ、多様な利用者が使える条件を、それぞれのガイドから読みます。

政府ウェブサイトの品質指針

ウェブサイトガイドライン(DS-680.1)

各府省が公開するウェブサイトの整備・運用に関する共通指針です。ドメインやサイト集約から、セキュリティ、表示環境、設計、評価、維持・廃止までを扱います。

  • サイトの目的や利用者を定め、設置・集約・維持・廃止を通じて、行政情報と機能を使いやすく提供する方針を示します。
  • 多様な端末・支援技術への配慮、適切なHTML構造、レスポンシブ対応、デザインシステムの利用を進めます。
  • セキュリティとプライバシー、情報の見つけやすさ、ユーザビリティ等を評価し、公開後の品質も継続的に高めます。
詳しい解説と原文を読む ↗

使いやすく安全な行政サービス

ユーザビリティガイドライン(DS-670.1)

行政システムを、利用者が目的を達成でき、誤操作が起きにくいものにする設計・評価の指針です。利用者調査、品質目標、安全対策、AI利用時の評価まで扱います。

  • 利用者の種類、目的、頻度、利用環境を把握し、画面の前後を含む活動全体から困難や負担を明らかにします。
  • 利用時の品質目標を設定し、試作品や実際のサービスを利用者テスト等で評価して、設計・運用の改善につなげます。
  • 誤操作による被害の防止、アクセシビリティ、AI特有の誤りや利用者の期待にも対応し、安全な利用を支えます。
詳しい解説と原文を読む ↗

アクセシビリティの実践入門

ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック(DS-671.2)

障害や利用環境によって情報取得・操作が難しくならないよう、ウェブアクセシビリティの基礎と実践方法を説明する参考文書です。企画から調達、検証、運用までを扱います。

  • 行政官や事業者が、アクセシビリティの意味と基本的な対応を理解し、発注・受託で共通認識を持てるようにします。
  • 利用者像、機能・非機能要件、テスト計画、専門人材などを企画・調達段階から組み込み、開発途中でも検証します。
  • JISやWCAGの考え方、支援技術、スマートフォン対応等を解説し、公開後も品質を維持・改善する取組につなげます。
詳しい解説と原文を読む ↗

3つを合わせて読むと、仕様書に書く内容が見える。

サイト全体の構成・運用、利用者の行動や迷い、アクセシビリティの要件と確認方法を、設計時から合わせて整理する読み方です。技術的な基準への適合と、実際の利用者が使えるかの検証を、別の観点として持つことが役立ちます。

DOCUMENTS / READ THE ORIGINALS

関連する16件を、役割から探す。

正式な方針、標準・ガイド、計画の構成資料を区別して掲載しています。構成資料の掲載は、独立した閣議決定件数を意味しません。

方針・計画

デジタル社会の実現に向けた重点計画 ↗

国や自治体の行政サービスから医療・教育・防災、企業活動まで、デジタル社会の実現に向けて政府が重点的に進める施策を束ねた横断的な計画です。

閣議決定
方針・計画

デジタル行財政改革 取りまとめ2026 ↗

人口減少による担い手不足に対応するため、生活者の視点から公共サービスや行財政を見直す方針です。AI・データの活用を制度改革や業務改革と一緒に進めます。

デジタル行財政改革会議決定
方針・計画

地方公共団体情報システム標準化基本方針 ↗

自治体の基幹業務システムを標準に適合させ、安全かつ円滑に移行するための方針です。ガバメントクラウドの利用も含め、国・自治体・事業者が進める取組を示します。

閣議決定(改定)
標準・ガイドライン

政府情報システムにおけるクラウドサービスの適切な利用に係る基本方針(DS-310) ↗

クラウドを第一候補としながら、移すだけで終わらせず、アプリケーションの刷新、自動化、責任分界、コストの計測まで含めて利点を引き出すための政府共通ルールです。

デジタル社会推進会議幹事会決定
標準・ガイドライン

デジタル・ガバメント推進標準ガイドライン(DS-100) ↗

行政サービスと業務の改革、それに伴う政府情報システムの整備・管理について、組織の役割と手順を定める共通ルールです。企画、予算、調達、開発、運用、改善を通して扱います。

デジタル社会推進会議幹事会決定
標準・ガイドライン

地方公共団体標準準拠システムのガバメントクラウドの利用について(第3.0版) ↗

自治体が標準準拠システムをガバメントクラウドで運用する際の、国、自治体、クラウド事業者、運用管理補助者などの関係を整理した文書です。契約、責任分界、利用料の仕組みを扱います。

デジタル庁改定・公表
方針・計画

自治体情報システムの標準化・ガバメントクラウド移行後の運用経費に係る総合的な対策 ↗

標準化とガバメントクラウド移行後の運用経費が増えるとの懸念に対応する対策です。クラウド利用料だけでなく、ソフトウェア、回線、運用委託を含めて原因と改善策を整理します。

デジタル庁取りまとめ・公表
計画の構成資料

データ利活用制度の在り方に関する基本方針 ↗

データとAIが価値を生む社会に向け、連携基盤、標準化、行政保有データ、分野別の利用、官民の体制を整理した基本方針。2025年重点計画の第5としても収録されている。

デジタル行財政改革会議決定/2025年重点計画にも収録
計画の構成資料

国・地方デジタル共通基盤の整備・運用に関する基本方針 ↗

人口減少下でも公共サービスを維持するため、国と地方が共通基盤を整備・運用する考え方。共通SaaS、認証・基礎データ等の公共インフラ、クラウド・ネットワークを分けて整理する。

閣議決定された2024年重点計画の第6
計画の構成資料

第1次公的基礎情報データベース整備改善計画(改訂) ↗

住所・所在地、法人、不動産など多くの手続で共通に参照する基礎データを整える計画。2026年重点計画の第3として収録され、分野ごとの課題、役割、整備・改善の時期を示す。

閣議決定された2026年重点計画の第3
標準・ガイドライン

DS-511 行政手続等での本人確認におけるデジタルアイデンティティの取扱いに関するガイドライン ↗

国の行政手続で本人確認を設計するための標準ガイドライン。身元確認、当人認証、外部の認証基盤との連携を分け、手続のリスクと利用者の負担に応じて適切な方法を選ぶ基準を示す。

デジタル社会推進会議幹事会決定
標準・ガイドライン

行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドライン(第2.0版) ↗

政府の生成AI利用を進めながら、企画・調達・運用を通じてリスクを管理する共通ルールです。各府省のCAIO、リスク判定、調達・契約時の確認事項を定めます。

デジタル社会推進会議幹事会決定
標準・ガイドライン

ユーザビリティガイドライン(DS-670.1) ↗

行政システムを、利用者が目的を達成でき、誤操作が起きにくいものにする設計・評価の指針です。利用者調査、品質目標、安全対策、AI利用時の評価まで扱います。

デジタル社会推進会議幹事会決定
標準・ガイドライン

ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック(DS-671.2) ↗

障害や利用環境によって情報取得・操作が難しくならないよう、ウェブアクセシビリティの基礎と実践方法を説明する参考文書です。企画から調達、検証、運用までを扱います。

デジタル庁公表(実践ガイドブック編入)
標準・ガイドライン

ウェブサイトガイドライン(DS-680.1) ↗

各府省が公開するウェブサイトの整備・運用に関する共通指針です。ドメインやサイト集約から、セキュリティ、表示環境、設計、評価、維持・廃止までを扱います。

デジタル社会推進会議幹事会決定
標準・ガイドライン

デジタルマーケットプレイス(DMP)活用ガイドブック ↗

行政機関と事業者がDMPを使ってSaaSを探し、比較・選定する手順を説明する活用資料です。調達仕様の整理、比較表、見積もり依頼、各機関での契約への進め方を示します。

デジタル庁公表(ガイドブック更新)
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